動悸がする、冷や汗が出る、頭痛がする、吐き気やふらつきがある、そうした様々な症状で皆さんが病院の内科を受診したとします。何度検査をしても器質的に(肉体的に)は異常がない。そうした場合に着けられる病名が「自律神経失調症」です。
この病名が付いた患者さんには、精神安定剤や時には抗うつ剤などが処方されます。その薬を飲み続けてもう何年も通院している。しかし、一向に改善が見られない。この薬を飲み続けることも不安になってきた・・・ そんな方がたくさんおられます。
近年では、「パニック障害」と言われる病気も増えてきました。この病気の特徴は突発的な発作です。突然、激しい動悸に襲われ、呼吸がつらくなり、このまま死んでしまうのではないかと感じるくらいの苦しさが起こるのです。
こうした症状を一度体験すると、また同じ発作が起こるのではないかという不安から、電車やバスに乗ることが困難になり、ひどい場合は近所へ買い物に出かけることさえ困難に感じられます。
ストレス(不安・緊張・怒り・憎しみ・恐怖・悲しみ・などの感情)により交感神経が緊張すると、図の右側に記した様々な症状が現れます。これは自律神経がバランスを崩している状態で、ストレスの慢性化によってこの症状が常態化しているのが「自律神経失調症」です。肉体の故障ではなく、神経の緊張状態ですから病院の検査でも異常は診られません。更にストレスが加わると、脳が緊張状態を起こし脳内伝達物質の分泌に異常が起こることで、不眠・不安・抑うつ・強迫観念・視線恐怖・集中力欠如・死にたい気持ちになる・などの精神症状につながります。
一般的に言えば、ストレスをためやすい性格傾向があって、更に何らかの誘因(きっかけ)が加わり、ストレス耐性の限界を超えた時に心因症状が起こります。
当指導室では、心理学の指導によってストレスを取り除いたり、ストレスを溜めにくいたくましい心をつくることによって、症状の改善・治癒を目指します。
Ⓒ 2017 西尾心理療法指導室